その6
房総〜
鴨川シーワールド(前編)

03.11.30.up

日本中のせいうちに会いたい、いやぜひ会わなければ!
せいうちせいうちを呼んでいるのだ!!

国内のせいうち全員に会うという、このせいうち探訪の旅
思えばその始まりは、今を溯ること約6年前、平成9年(1997)の秋のことであった。
当時はまだ自分がせいうちであるという自覚がなく、あざらしやらせいうちがいるという鴨川まで
ドライブがてら遊びに行ってみようじゃないかという、計画性のない小旅行に出発したのであった。
その当初は「せいうちに会いに行く」という純然たる目的はなきに等しく、
このときの出会いが自らの人生を大きく変えていく分岐点となるということも未だ知らずにいたのである・・・。
つまり、2度目の訪問となる今回の旅はすなわち、原点に回帰する旅でもあったのだ。
自分をせいうち道に導いたせいうち一家と再会するために、
さらには今春誕生したばかりの子せいうちに会うために、
関東エリア最大の海獣拠点・鴨川シーワールドに向けて、いざ出発だ!

千葉県南部、太平洋の黒潮を望む外房・鴨川市は、一年中温暖な気候の所である。
国道128号線に面した、シーワールドの正面ゲートが見えてきた。
みんなとの再会ももうすぐ、わくわくメーターもレッドゾーンへ。
館内マップも大体わかっているので、名物のシャチやイルカなどは飛ばして
一路、せいうち一家の待つロッキーワールド(鰭足類ゾーン)へ向かうぞっ!



Emergency! 海中から巨大生物が急速接近中!」 「目標、急速浮上中! 海面まであと2秒、1秒・・・!」


「ぶっは〜〜〜」


「やぁやぁ! 久しぶりだねぇ!!」
まず出迎えてくれたのは、一家の大黒柱・パパせいうちのタックくん。
お? なんだかまだ成長しているみたいだなぁ。
また一回り大きくなった感じで、貫禄もついてきたね!


これは前回来訪時、つまり6年前のカット。
当時はまだデジカメが導入されておらず、
プリント写真からスキャンしたものである。
タックくんの牙が立派でびっくりしたという
思い出があるが、現在ではさらに伸びた?
また、今年南知多ビーチランドに婿入りした
長兄のキックくんも一緒に写っている。
まだ小さいこきゅうだったんだねぇ。
ママのムックちゃんもちょっと若いです〜。



「ねぇねぇ、お客さんが来てるよ。みんな上がってきてよ。」
一番下の弟・ロックくんの呼びかけで、家族全員が集まってきた。
ざばざばざばー。
なかなか壮観である。
それでは一家が集合したので、現在の家族紹介といきましょう!

まずは、パパせいうちのタック。

年はもう20歳くらいでしょうか。
カーブのかかった長くて立派な牙が
ご自慢です。
いつも、水の中をスイスイと泳ぎ回って
お客さんを迎えてくれます。
あとで、多彩(?)な芸を披露してくれますよ。
続いては、ママせいうちのムック。

いつものんびりまったりしていますが、
これまでに4頭の子供を生んだという
国内記録の持ち主でもあります。
大きな体にやわらかい茶色の毛並み。
牙は抜けてしまってないようです。
(南知多のさくらちゃんと同じ歯髄炎かな?)
こちらは、お姉ちゃんせいうちのミック。

やや濃い茶色で、中くらいの大きさ。
これからまだまだ大きくなりそうです。
牙は、よーく見ないとわからないカナ?
まだ細くて短いけど、ちゃんと生えてます。
今日の主役? 末っ子のロック。

今年6月に生まれたばかりの赤ちゃん
ですが、すでにヤンチャぶりを発揮。
ママにくっついて歩いたり泳いだり、
お客さんに興味を示したりと大忙し。
すっごいかわいいぞぉ〜!



タック&ムック夫妻が、入江で休憩中。
なんか、温泉につかってるみたいだ。

タックくんって牙も長いが、おひげも長いのね。
牙が長いので、直接ひげが岩にこすりつけられない分、削れて短くならないのかも。

ムックちゃんは何をしているのでしょう?
じつは「鼻水を岩で拭いている」が正解。
うひゃひゃ、ずびずばーですな。

おぉーっと?! 急にタックくんが陸に上がって来たぞ?
・・・と思ったら、ランチタイムが近いのね。 さすが、よくわかっているんですなあ。
さてさて、みんな続々と上陸してくるぞ!


タック一家、勢ぞろい!
ってゆーか、相変わらずタックパパはお姉さんに弱い様子。
「じゃあ、お客さんに得意技を見せてあげてね?」
「なんでも言うこと聞いちゃうぞぅ。」
それでは、はりきっていきましょう! タックの得意技5連発です!


@ 頭をかかえて「あああっ!」
A 顔を押えて「恥かしいっ!」
B 全く困ったもんだゼ「Oh,no!」
C おなかを叩いて「ビチ!」
D 最後は決め技、投げキッス「しゅポン!」
「どーだ、まいったか。」
個人的には、Bの「お〜の〜」の時の目線が気に入ってます。 ハイ。



どっぱぁぁぁあん!

わ、びっくりした!
ミックちゃんの芸は、ダイビングだったのね。
合図にあわせて、3・2・1・はい!
きれいに水しぶきをあげて、華麗にダイブ!

・・・と思ったら、すぐに復活。 早っ?!


こっちでは、ロックくんが何か言ってます。
「ねぇねぇ、ボクにも何かくれないの?」
はいはい、ロックは赤ちゃんだから、まだお魚は食べられないでしょ。


特に何も芸はやらないムックママですが、
食後に面白いモノを見せてくれました。

バケツサイズの大きな氷をもらってご満悦のムック。
あんなデカい氷、どうするのかと思っていたら、
あれ? いつの間にか割ってある??

どうやって割ったのかは、次の初公開・連続写真で!


「ねえママぁ、この氷まだ大きすぎるよぅ。」

「ぼうや、よく見てなさいね。
氷はこうやって割るのよ。」
「いい? 大きい氷はこうやって
口に吸いつけてね・・・」
「高ーいところに持ち上げておいてから・・・」
「勢いよく地面に叩きつける!」
ぱきゃっ!

「ほら、割れたでしょ。 わかった?」

「ごめん、ボク見てなかった・・・。」

「・・・・・。」


ムックの「必殺!氷割り」の秘技も、ロックはまるで見ていなかった!
ショックを受けるムックを横目に、せいうち探訪の旅は後編に続くのだっ!