その5
兵庫〜
城崎マリンワールド

03.09.21.up

日本中のせいうちに会いたい、いやぜひ会わなければ!
せいうちせいうちを呼んでいるのだ!!

もはやお馴染みのセリフで始まるせいうち探訪の旅も、はや第5回を数え
前回の九州編に続いては、西日本方面制覇を目論んでの遠征となった。
「東の港町・横浜」に対する「西の港町・神戸」から、陸路北へ約120km、
日本海に面する兵庫県豊岡市の城崎マリンワールドが目的地である。
今回の旅は日程の都合上、単騎での攻略となるため、移動手段にはオートバイをチョイス。
しかも行程1300km超を実質日帰りでこなすという、ハードなアタックとなった。
無謀ともいえる体力勝負の強行策も、全ては「せいうちに会うため」、ただそれだけにあった。



日本海は青い!
ブルーグリーンの太平洋を見慣れたハマっ子としては、その青さは新鮮である。
城崎温泉から海へと向かう細道を抜けると、眼前に真新しい施設群が広がった。
その正面にあって、一番最初に出迎えてくれているのが、この銅像。
ペンギンとイルカを従えた、ちょっとスリムなせいうちくんだ。
せいうちに対する力の入れようが見て取れ、ますます期待に胸が弾みます。

入館ゲートをくぐり、館内に入ろうとすると
ユーモラスなオリジナルキャラが待っていた。
ちなみにこのせいうちくんは、頭の後ろに帽子を被ってます。


施設が断崖を利用して建設されている関係上、正面から入って行くと
各水槽を見ながら、海面へ向かって降りて行くことになる。
入口から少し進むと、ゴマフアザラシなどが生活する大水槽があった。
このあざらし水槽は、水深10m程もある縦長の水槽で、
横の階段を下りながら水面から海底までを見ることができるのだ。
下から見上げると、はるか上の方にゴマフがぷかぷか浮いているのが見える。

上から下まで、あざらしを追ってみる。
水面近くでは、半分だけ顔を出して
浮いたまま半寝状態のゴマフたちが。

あざらしが水中でうたた寝するときは、
縦向きになって漂っていることが多い。
首(どこが首でどこが肩なのか・・・不明)を
曲げて寝ているけど、痛くならないのかな?

下に降りると、水底にも沈んだままで
寝てる奴がいる。
じーっと見ていると、5分くらいおきに
息を吸いにスーッと上昇して行くのだが、
すぐにまた底に戻ってじっとしている。
個体によって、眠り方の好みが違うようだ。
人間でも、丸まって寝たり、うつ伏せで寝たり
いろいろいますものね。

同じ水槽に、アシカも同居しているけど、
お互いにあまり干渉しないみたい。
アシカも水中に漂って、のんびりしてました。(↓)


あざらし大水槽の横には、
生まれたばかりのゴマフアザラシの子
アンズちゃんの専用プールがあった。

子供のゴマフは、ゴマフ模様ではなくて
全身均一な褐色をしていますね。
ちびっこいくせにやたらと元気で、
あっちこっちへ泳ぎ回っている。

一瞬だけ動きを止めたのを狙って
撮影に成功!
でも、鰭の動きは止まってナイ!
ねぇねぇ、こっちに見においで?
とみんなを呼んでいるみたい・・・??


◆ ◆ ◆ ◆ ◆


さて、いよいよせいうち水槽に到達!
気持ちよさそうに泳いでいるのは、雄のデンくん(現在13歳)。
水中のせいうちは移動速度が速いので、なかなか写真に撮れない。
ちょっと止まってくれぇ〜!

デンくんを追っかけて泳いでいるのは、雌のグリちゃん(現在6歳)。
2人合せて「デン・グリ」。 このお名前は開館当時に公募でつけたそうですが、
泳ぐ姿が水中ででんくり返しをしているみたいに見えるので、そう命名されたとか。
たしかに、2頭ともひっきりなしに泳いでおり、水槽の端では
でんぐり返しみたいにターンをしていました。
だから、ちょっと止まってっば〜!!


突如として、2頭ともざぶざぶと水から上がってきた。
やっと止まった〜・・・と思ったら、ランチタイムなのね。
毎日のスケジュールはよく知っていらっしゃる。
めっちゃイイ顔で、飼育員さんをお出迎えだ。

何をさておいても、お食事ですね。
・・・と思いきや、デンもグリも水の中に入り、お風呂みたいな姿勢に。
え?一体なにを始めるんだ?? と不思議に思っていると、
この姿勢のまま、魚をもらって食べ始めたではないか!
どうやら城崎流のお食事は、やや仰向けでいただくのが流儀みたいです。
どっちかというと、食べにくそうな気がするんだけど・・・。

あー、おなかいっぱい!
バケツ一杯の魚やイカをたいらげて
至福の表情のデンくん。

おいおい、なんか忘れてないかい?
はいはい、そうでしたね。
なんかやりましょか・・・。


ちょっと渋々な感じですが、
ショータイムの始まり始まり。
それじゃ、1曲ご披露します・・・
 ♪あ゛〜、あ゛〜〜

あーもう、よくわかんないよ!
ははっ、お恥ずかしい。
と、顔を隠すデンくん。
大きい声は出せるけど、
歌はあんまり得意じゃないんだ。




んもう・・・。デンってば、しょうがないわねぇ。
お? 今度はグリちゃんの出番ですか?!
それにしても、「グリ」って名前の書かれたバケツがいいね。
デンくんのは水色、グリちゃんのはピンクのバケツだ。


じゃ、いきますよぉ。   そーれ!!
ビューーーーーッ!
うわっ、口から水鉄砲攻撃だっ!

え〜ん、ガラスが水浸しで
何にも見えなくなっちゃったよぅ。



うふふ。驚いた?
いたずらっぽい流し目をよこす。
おまいは流れ星お銀かっ?!


※流れ星お銀・・・水戸黄門配下のくの一。
助平代官を風呂場に誘込んでの水攻撃は
もはや名物にまで昇華している。



ショータイムが終り、ご褒美にもらった氷を仲良く食べる。
暑いときには氷に限るよねっ!


天井のガラス越しに、せいうち水槽を見下ろす。
2頭とも、まだ氷にかぶりついている。
改めて上から見てみると、せいうちの大きさ、
そして背中の筋肉質な加減がよくわかる。

ちょうどその後、水族館の偉い方からせいうち裏話を伺うことができた。
なんでも、マリンワールド新装オープンの目玉としてせいうちを公開しようと、
事前に買いつけを済ませ、秘密のまま裏のプールで飼っていたのだが、
いざ建物が落成して動物搬入となったら、なんとせいうちが予想外にまで
大きく成長してしまい、水槽まで運び込むのにどえらい騒ぎになってしまったとか。
たしかに子供のうちなんか、メートル単位で成長しますからね・・・。
外からのドアが通れない!とか、階段が!とか、それはもう大変だったそうです。
そりゃあさぞかし、一苦労だったでしょうな。 せいうち本人たちも含めて。



◆ ◆ ◆ ◆ ◆



せいうち水槽を後にして、建物外に出た。
そこは、日本海の海水と自然の断崖を利用した、岩場ゾーン。
流れ落ちる滝の下で、ゴマフアザラシが水にうたれていた。
修行の身でござる。
いや、絶対ウソだ! いま寝てたでしょ?!
そ、そんなことないで・・・ぐーーー・・・
こらーっ!


外は暑いけど、水の中は気持ちいいよ!
と、水面をすーいすい。

あざらしを枕にして昼寝をしたら
とっても気持ちよさそう・・・
などと思いながら、一休み。



せいうちたち海獣の、食事量について展示していた。
せいうちは、毎日約32kg、バケツにして4杯分の魚介類を消費するという。
米に換算したら半俵以上ですよ、1日で。
わが家で飼うには、食費がかかりすぎるなぁ。
エンゲル係数が限りなく100に近くなりそうだ。
※エンゲル係数・・・所得(100)に対する食費の占める割合。 覚えてた?

それにしても、このせいうちキャラの金バケツ、ほしいなあ。 蓋つきだし。
おみやげコーナーでの発売を希望します!


せいうちたちの生態をもっと知るため、水族館バックヤードツアーに参加しよう。
1日限定10人なので、最初に予約しなくっちゃですが、
もちろん朝9時のオープンと同時にお願いしておいたので、1番手を確保できました。
写真は、ツアー参加者に渡されるパス券。  ここにもせいうちキャラが登場?!

ここは、水族館の調理場。
もちろん、海獣たちのごはんを作るための専用台所です。
ホワイトボードには秘密のレシピが・・・ではなくって、
海獣たちの食べる量が個体ごとに細かく記されています。
これによると、デンくんのメニューは、
イカ 0.5kg×4回
ホッケ 3.5kg×2回、4.0kg×2回
サバ 3.5kg×2回、3.0kg×2回
合計32.0kg
だそうです。

あざらしなどは、個体によって「イカが好き」とか「サバが好き」とか
「ホッケは嫌いだけど切り身なら食べる」とか、好き嫌いがあるそうで・・・。
(マジックで○とか×が書いてあるやつが、その印)
結構ワガママなヤツなんですね。


ツアーの最後は、イルカへのエサやり。
他のお客さんたちには好評のようだが、
きゅうきゅうとしては満足じゃな〜い!
せいうちにも何か食べさせたーい!
南知多ではゴマフに魚あげたよ?
だからせめてあざらしにだけでも・・・。

まあ、なかなかそうはいかないよね・・・。
でもこの次は、お願いね。




これで今回の目的は達成・・・っとその前に。
恒例の記念写真を撮らなくっちゃね。
ゲート前の大せいうち像と一緒に撮影会だい。
今日もせいうち大満足〜!!



意気揚々と引揚げ・・・のハズだったのだが、帰路は大変な災難が待っていた。
天橋立に寄ってから北陸方面へのんびりツーリングする予定だったが、
マリンワールド出発直後からものすごい土砂降りに見舞われたのだ。
なんとか突き抜けられるかと、我慢して2時間ほど走っていたのだが、
ようやくやみかけたころに現れた国道の電光表示は「現在大雨洪水警報発令中」。
だー、そういうことはもっと早く教えてくれよぅ。
パンツからブーツの中までびしょびしょになっちゃったじゃないか!
しかも、濡れて留めが甘くなったマジックテープのおかげで
高速道路の通行券をふっ飛ばしてなくしてしまう始末。
検札の米原バリアで停められて、再発行をしてもらいました。(写真右)
ごめんなさい。


今回のおみやげは、積載量に限界があるバイクということもあって、大物はナシよ。

まず左は、マリンワールド限定のお菓子。
特に、「セイウチ君は人気者」は
中の個別包装まで、せいうちイラスト入り。
中身はおいしいスチームケーキで、
会社でも大好評の人気者でした。

木彫りのあざらし君は、素朴ながら
なんか楽しくなるような表情がグゥ!

今となってはあまり使わないテレカも
子供時代のデン・グリが写っていたので
とりあえず押えておきました。




さて、いよいよ残るせいうちは1か所のみ!
しかしながら、最後は難関・北海道小樽。
うーん、すぐには行けないかもしれないけど、
必ず行くから、待っててね〜!!