いよいよ射撃開始ということになりますが、射撃にもF-1レースのように「レギュレーション」があり、銃の口径やサイズなどの基本的なものはもちろん、セッティングに際しても使用可能なアイテムと使用不可のアイテムがあります。
ここでは、細かい規則については述べませんが、一般的な選手が使用している道具を見てみましょう。
照準をするのに絶対必要なのが「サイト(照準器)」です。
サイトはフロント・リアの一対になっていて、フロントサイトは銃口の真上に、リアサイトは銃身の一番後ろに取付けて目で覗くように見ます。
ここで注意!サイトには光量を調整するフィルター以外、レンズを使ってはいけません。つまり望遠にすることはできないので、標的は遥か彼方に黒点としてしか見えません。え、目が悪いって?大丈夫。一枚レンズである眼鏡だけは使用可能となっています。
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フロントサイト 内側のリングが見えますか? |
リアサイト こうやって覗きます。 |
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リアサイトを通してフロントサイトを覗いたところ。 まん中に浮いて見えるリングと、遠くにある標的が 同心円になるように照準します。 |
サイトのほかにも、銃を体に密着させて固定させるために、下の写真のような物をはじめとした色々なアイテムがあります。
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スリング 左腕に巻きつけて、銃を保持するのに使います。 立射では使用不可です。 |
バットプレート 肩あての部分です。 フリーライフルに限り、写真のような「角」がつけられます。 |
射撃をするときには、銃ができるだけ動かないように一定の姿勢を保持することが必要ですが、もし筋力で銃を固定しようとすると、数時間に及ぶ競技においては疲労が先行してしまい、全く勝負になりません。
そこで、銃を固定するには、骨格と体のねじりを利用して一定のフォームをとるのですが、それを補助するのが専用の服装です。
通常のアンダーウェアの他、射撃用のコート、ズボン、グローブ、シューズを着用します。
コートやズボンは、革や硬いキャンバス生地で作られており、射手個人個人に合せてオーダーメイドします。
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コート | ズボン | グローブ | シューズ |
射撃姿勢を型取りして作っているため、腕などは着ていなくても自然とそのポーズになっています。 | コート同様、キャンバス地をベースに作っているため、支えなしに自立できるほど硬く、膝を曲げるには裏のチャックを開けます。 | 右利き射手の場合は左手だけにはめます。 コートの肘部、ズボンの膝部と同じく、ハイグリップなラバー素材で覆われています。 |
専用シューズは、靴底が硬い板状になっていて、射手の足を地面にしっかりと固定するようになっています。 |
さて、最後に気になる費用などについてです。
一度、銃や装備品を揃えてしまえば、あとは練習時の射場使用料や試合参加費、それに弾代があればそんなに出費はかさまないのですが、装備品の類は少しずつ買い足すというわけにもいきませんので、最初のときに多少の投資を覚悟してください。
まず銃の値段ですが、最初に買うAR銃の場合、機種によっても違いますが、新銃で20〜25万円程度です。SB銃の場合は40万円位かかります。
次に装備品ですが、コート、ズボンをオーダーした場合、概ね上下で20万円前後、さらにシューズが3万円、グローブが1万円位をみてください。
つまり、最初に50万円程度の資金が必要ということですね。
でも、あとはそんなにかからないと言ってもよいくらいで、射場使用料は1日撃っても1〜2千円位、試合参加費も2千〜1万円位でしょう。
弾は、精度の良し悪しにより、やはり値段の高低がありますが、AR弾は1発あたり1〜4円、SB弾で15〜30円位です。(購入は箱単位)
あとは射手の好みで部品などを交換・買い足しすればよいのですが、射撃用品は総じて大量生産品ではないため、全体的に値段が高い傾向があります。
ただ、どんなに素質のある射手であっても、装備品が悪ければベストの点数を出すことは不可能です。これは器具を使うスポーツの宿命でもありますが、良い銃・良い装備品を選ぶのも技量の内の一つであって、これらを前提とした上で撃つ人の技量を試す競技なのです。
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射撃場・試合風景 |
どうですか? 「ライフル射撃」という競技について、だいたいおわかりになったでしょうか。
もし、このサイトを見て興味がわいたという方があれば幸です。
質問したい事があるという方は、当ホームページの掲示板「VICTORY's BAR」に質問を書き込んでください。
また、個人的に聞きたいという恥かしがり屋の方は、サイト管理者へ直接メールしても構いませんので、ご遠慮なくどうぞ。
それでは、射撃場でお会いしましょう!
03.02.16.up
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